長期間にわたって継続的に消費者へサービスを提供する場合には、サービスの内容や中途解約の条件等を予め定めておく契約書が必要になります。
特に(学習塾・語学教室・家庭教師派遣・エステティックサロン・パソコン教室・結婚情報サービス)の6業種については、特定商取引法で「特定継続的役務」の指定を受けており、クーリングオフに応じる義務などが定められています。
この6業種以外の継続サービス業でも、消費者との契約には消費者契約法などの適用を受けるので、これらの消費者保護法を意識した契約書を整備する必要があります。
当事務所では、特定継続的役務には該当しない、一般的な継続サービスに関する契約書雛形をご用意して販売しております。
この継続サービス契約書はA4用紙5枚(全20条)で構成しています。
<この契約書雛形の対象となるビジネス例>
社会人対象のビジネス講座
各種カルチャースクール
各種資格試験の学習講座
エステシャンの養成講座
指圧などのマッサージ業
高校受験や大学受験以外の生徒指導
生涯学習に関する講座
各種ビジネスの技能講習 など
その他にも、様々な消費者向けの継続サービスを実施するビジネスでご活用頂けます。
一般的な継続サービス契約書雛形の概要は以下のとおりです。
契約の成立
契約書の締結と同時に契約が成立することの確認と、未成年者には親権者の同意が必要なことの確認です。
未成年者との契約は民法の規定により、その親権者がいつでも自由に取消することができる不安定なものであるため、予め親権者の同意を得て契約を確定しておく必要があります。
本サービスの提供場所および内容
サービスを提供する場所と方法、サービス内容、サービスの対価を定めます。入会費用や関連商品の料金、サービス提供回数や1回あたりのサービス単価は契約の重要事項になるので必ず記載するようにして下さい。(中途解約時の清算のときに、ここに記載した金額から返金額を算出することになります。)
契約期間
契約期間を定めることでサービス提供の期間を限定し、不適当な長期的サービス提供に陥るリスクを予防します。
役務提供対価の支払い
現金払いやクレジット支払いなど、料金の支払い方法を定めます。
役務提供者の人選および交代
講師や指導者などの役務提供者の担当については、契約者の希望を尊重することを確認しつつ、事情によっては意向に沿えない可能性もあることを確認します。
役務提供回数
一定期間内でのサービス回数が不足した場合は、不足分を翌月に繰り越すことを確認します。繰越できる限度も定めておきます。
著作権等
サービスのノウハウや教材の著作権については、全面的にサービス提供事業者に帰属することを確認し、権利侵害行為を予防します。
秘密保持および個人情報保護
本サービスを通じて知り得る機密情報を漏洩しないことを誓約します。また、個人情報については厳密に取り扱う義務を定めます。
権利の質入及び譲渡
本サービスを利用する権利を第三者に譲渡したり質入することを禁止し、これらの行為が無効であることを確認します。
中途解約
本契約は特定継続的役務提供には属しないため、クーリングオフ制度は設けないことを明示します。
中途解約については、消費者契約法などを考慮しても応じる必要があるため、契約者が書面で中途解約の申し入れをした場合には受付することを定めます。
中途解約の清算
特定商取引法の中途解約基準を参考にして前払い料金の精算方法を定めます。
本サービスの効果
サービスの成果を確約する性質の契約ではないことを確認し、クライアントの自覚を促し、事後のトラブルを予防します。不都合があれば削除して下さい。
債務不履行
契約違反が発生した場合は、相手方に文書で通知することで契約解除が可能となります。
損害賠償
契約内容の不履行があり、それにより損害を被った場合は、相手方に対して損害賠償請求が出来ます。
不可抗力
災害等の不可抗力によって契約が履行できないときは、損害賠償責任が生じないことを確認します。
本契約書雛形の概要は以上です。