契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

デート商法や霊感商法に取消権【消費者契約法改正】販売事業者が注意するべき事項と対策

消費者契約法の2019年改正によりデート商法と霊感商法について取消権が導入され、そのような勧誘をする販売事業者は同法に違反しないように注意と対策が必要になります。

訪問販売やセミナー、鑑定会、電話勧誘販売など、異性の販売員が勧誘することが多いビジネスや占いや人相診断などのビジネスでは、この法改正の内容を正しく把握しないと多量の契約取消の請求が続出して経営的なダメージを負うことにつながります。

 

2019年6月15日の改正消費者契約法の施行により、「恋愛感情等の好意の感情に乗じた人間関係の濫用」と「霊感等合理的に実証することが困難な特別な能力による知見を用いた告知」については、一定の要件に該当する場合には消費者に取消権を認めることになりました。

これを早合点して「デート商法と霊感商法が法律で禁止された」と語る人もいるますが、異性による勧誘や特別な知見を用いた勧誘が禁止されたわけではなく、そうした勧誘によって消費者を困惑させるという事実があった場合に取消が認められるというものです。

つまり、消費者を困惑させるような態様の勧誘をしなければ、異性の販売員による勧誘や占術等の特別な知見を用いるビジネスをすること自体には問題はありません。

 

ただ、事業者が適正な勧誘やビジネスを実施したとしても、その適正実施の内容を書面化して記録に残しておかないとトラブル発生時の事実証明性が弱くて不利な対応を迫られるリスクが高くなってしまいます。

 

まずは改正消費者契約法で取消権が導入された2つの事項について、以下に解説します。

 

恋愛感情等の好意の感情に乗じた人間関係の濫用>(消費者契約法第4条第3項第4号)

宝石やアクセサリー、語学教材、各種会員権などを販売する目的の勧誘に際して異性(販売員)と何度か連絡を取り合うようになり、販売員に対する恋愛感情を使用して「買ってくれないと関係を続けられない」等と語って契約を締結した場合には取消ができるものとされます。

この「人間関係の濫用」に関する取消権が成立する要件は次のとおりです。

 

要件(A)消費者側:「社会生活上の経験が乏しい」
要件(B)消費者側:「勧誘者に恋愛感情等の好意を抱き、かつ、相手方も同様の感情を抱いていると誤信」

要件(C)事業者側:「(人間関係濫用の)事情を知りながら」
要件(D)事業者側:「それに乗じて契約を締結しなければ関係が破綻する旨を告げる」

以上の(A)~(D)の4つの要件が全てそろった場合には契約の取消権が認められることになります。

要件の(B)と(C)については人間の内的心情の問題ですから証明は難しいところです。
事業者としては、勧誘担当者が(D)のような言動をしないように従業員教育を徹底し、契約時の記録(お客様アンケート等)に残しておく対策が有効と考えられます。

 

霊感等合理的に実証することが困難な特別な能力による知見を用いた告知>(4条第3項第6号)

「あなたの運勢は下降期にある。開運の絵画を買えば改善する」等と語ったり、「あなたの体調がよくないのは運気のせいだ。除霊サービスを受けなければ悪化する」等と告げて勧誘する行為があると取消権が認められます。

この「特別な能力による知見を用いた告知」に関する取消権が成立する要件は次のとおりです。

要件(1)事業者側:「霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見」を用いたこと
要件(2)事業者側:「そのままでは重大な不利益を与える事態が生ずると不安をあおる」
要件(3)事業者側:「「契約を締結することにより確実に重大な不利益を回避できると告げる」」

以上の(1)~(3)の3つの要件が全てそろった場合には契約の取消権が認められることになります。

つまり、霊感や占術などの特別な知見を用いるビジネスをしたとしても(要件1)、消費者に対して重大な不利益があると不安を煽る行為(要件2)や、契約を締結すれば不利益を回避できるという勧誘(要件3)をしていなければ取消権は認められません。

霊感や占術といったビジネスが禁止されるわけではなく、不安を煽ることで契約に結び付けるような勧誘行為が禁止されたということです。

 

この他にも改正消費者契約法では「願望の実現に抱く過大な不安をあおる告知」や「加齢又は心身の故障による判断力の低下を利用した不安をあおる告知」など複数の取消権が追加されています。

これらの消費者契約法の改正事項(2019年)については、特定商取引法の法定書面(訪問販売契約書など)を適正に交付していても、それだけでは新たな取消権に対応することはできません。

販売事業者としては、新たな取消権の内容を把握し、その対象になるような勧誘を行わないよう社内教育を徹底し、適正な勧誘であったことを「お客様アンケート(チェックリスト)」を取って事実証明用の記録とする備えが必要になります。

 

当事務所では消費者契約法の改正によって追加された禁止行為に関わるトラブルを予防するための解説書(PDF)とお客様アンケート雛形(WORD)を作成し、下記のリンク先ページで概要を記載しています。

 

訪問販売・電話勧誘販売のための消費者契約法対応の解説書とお客様アンケート雛形

 

訪問販売や電話勧誘販売のビジネスには影響の大きな法改正となるので、事業者の方はその概要の把握とアンケートの整備を進めて早期に対応をするとよいでしょう。

 

消費者契約法の2019年改正



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※訪問購入業務には概要書面は不要なので、訪問購入契約書には付属していません。

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