契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

特定商取引法に対応した契約書のデジタル交付のルール解説と承諾書雛形

特定商取引法の改正(令和5年6月1日施行)により、契約書のPDFファイルを電子メール添付で送信するデジタル(電磁的)交付が認められるようになりました。
訪問販売や特定継続的役務等のビジネスでは、従来は紙媒体での契約書を消費者に交付するのが義務とされてきましたが、DX化に対応するためにデジタル交付が可能になりました。

 

 

ただし、特定商取引法の対象ビジネスで無条件にデジタル交付が認められたわけではありません。事業者がデジタル交付をするためには一定の要件をクリアする必要があります。

 

まず原則として、通信販売を除く特定商取引法の対象ビジネスでは、本改正後も紙媒体での契約書を交付する義務は継続しています。
その原則の例外として、一定の要件を満たす場合には、消費者の「デジタル交付を希望する」という承諾を得たうえで、デジタル交付が可能になるという形になります。

 

つまり契約書のデジタル交付について要件を満たさない状態で、紙媒体の交付をしないでデジタル交付を進めてしまうと、特定商取引法の違反行為となり、行政処分や消費者からの契約取消(クーリングオフ)の対象となるリスクが生じます。
それはビジネスの持続性を損なう大問題になるので、契約書のデジタル交付をするには、そのための以下の要件をしっかり理解して対応する必要があります。

 

<特定商取引法の契約書のデジタル交付の要件>
・契約書を紙媒体で交付するのが原則(通信販売は除く)
・例外的にデジタル交付をするためには以下の要件を満たす必要がある
(1)事前に紙媒体の「デジタル交付に同意する承諾書」(承諾書面)を交付する。
(口頭や電話による承諾は認められない)。
(2)前号の承諾について、消費者がメール等で回答したものを取得し記録すること。
(3)契約書ファイルが消費者の端末で記録され閲覧可能であるか確認する
(4)消費者が契約書ファイルを閲覧する端末を自ら操作できるか確認する。
(5)消費者が家族へのファイル送信を希望する場合は対応しなくてはならない。

※オンライン完結型の特定継続的役務については、紙媒体の承諾書面ではなくPDF形式の承諾書をデジタル提供することが認められる。

 

通信販売を除く特定商取引法の対象ビジネスにおいて、事業者が契約書のデジタル交付を行うには、事前に消費者に対して承諾書面(紙媒体)を交付し、それに消費者の署名をもらう等の承諾を得て回収して記録保存しなくてはなりません。
事業者は、そうした事前準備をしてからPDF等の契約書ファイルを電子メール添付にて送信する等の方法でデジタル交付することが認められます。

なお、オンライン完結型の特定継続的役務については、承諾書面を紙媒体ではなく、電子メール添付にて送信する等の方法でデジタル交付することが認められます。

 

承諾書面を交付する際には、事業者は消費者に対し、以下の事項を説明しなくてはなりません。

・デジタル交付に承諾されなければ紙媒体で契約書を交付すること。
・契約書には特定商取引法で定めれた重要事項が記載されていること。
・契約書ファイルが送信された日から8日間がクーリングオフ期間であること。
・消費者が日常的に使用して操作している電子機器(11.43cm以上の画面)に対して送信すること。

 

承諾書面の交付と回収を終えた後に、契約書ファイル(PDF)のデジタル交付をする際には、以下の方法が指定されています。

・電子メール添付による送信
・ホームページからのダウンロード
・USBメモリやCD-ROMに記録したものを交付

 

なお、契約書は紙媒体で交付するのが原則のため、デジタル交付を選択した消費者を優遇したり、紙媒体交付を選択した消費者を不利益に扱うことは禁止されています。
例えば、デジタル交付を選択した消費者に対して商品の値引きをする等の特典を付けるのは禁止となります。

 

契約書を紙媒体で交付する場合には従来通りの運用でよいのですが、デジタル交付をする場合には承諾書面の交付という手順が増えることになります。
デジタル交付をするには、事業者の確認義務も増えるため、違反が起きないように備える必要があります。
(特定商取引法に違反すると、行政処分、行政刑罰、契約の取消などのペナルティ対象になり、ビジネスへのリスクが高くなります)。

 

当事務所では、承諾書面のひな型と交付方法、契約書のデジタル交付をする手順について詳しく解説をした以下のPDFマニュアル(解説書)を販売しております。
特商法の契約書のデジタル提供を検討されている事業者の方は是非ともご確認ください。

 

・タイトル:
「特定商取引法に基づく契約書の電磁的交付の承諾書についての解説」
・執筆者 行政書士 遠山桂
・ページ数:A4サイズ 全29ページ
・提供形態:PDFファイル(電子メールによる納品)
・価格:8,800円(税込み)
・注文方法:当サイトの申込フォームより必要事項を記入して送信。
・支払い方法:銀行振込
(PDFファイルのメール納品日から7日以内)

※本PDFマニュアルには契約書雛形は含まれていません。
契約書雛形が必要な場合は別途ご購入下さい。

 

―目次-
はじめに
契約書のデジタル交付が認められるまでの経緯
特定商取引法の概要と契約書交付義務
デジタル交付の承諾と取得の方法・確認義務(施行令)
デジタル交付の提供方法と説明義務(施行規則)
承諾書面と承諾の取得方法(施行規則)
契約書ファイルのデジタル提供の方法(施行規則)
事業者の禁止行為(施行規則)
承諾書のひな型と取得フロー

 

「特定商取引法に基づく契約書の電磁的交付の承諾書についての解説」マニュアルのご注文は、本ページ下部のお申込フォームボタンをクリックして、フォームに必要事項を記入して送信下さい。

契約書のデジタル提供の新ルール解説と承諾書の雛形



美容医療サービス・訪問購入・電気通信サービスの契約書雛形は16,500円です
それ以外の契約書雛形の料金は8,800円です。

当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 契約の概要書面も付いていて安心
特定継続的役務には、契約締結以前のサービス説明時に、契約の概要を説明するための書類(概要書面)を申込者に交付する必要があります。
この概要書面も付属しております。
※訪問購入業務には概要書面は不要なので、訪問購入契約書には付属していません。

その3 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)
契約書雛形の個別文言についての質疑応答に対応しますが、お客様が編集した契約書ファイルの全文チェックはサポート対象外です。(全文チェックはオーダーメイド料金にて承ります)。

 

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